網膜色素変性症は視力や視野の障害が進行する難病です

眼底検査で見ると黒い色素斑が現れます

網膜色素変性症は、眼底に位置する網膜の細胞が、徐々に萎縮して、視力や視野の障害が進行していく難病です。日本には推定約4万人の患者がいるといわれており、詳しい原因がまだわかっていないため、有効な治療法はまだ確立されていません。

進行性の病気で、網膜の視細胞が侵されていきます。ほぼ両方の目に起こるもので、視野が少しずつ狭くなり、長い経過をたどって視力低下が起こってきます。

視力を失うこともありますが、個人差があるため、70歳を過ぎてもちゃんと見えている人もいます。

網膜色素変性症の症状
最初の徴候として現れやすい症状が「夜盲」です。夜や暗い場所で、ものが見えにくくなる状態をいいます。視野に異常が生じ始めていると、次のような症状がみられます。

  • 暗いところや夜にものが見えにくい
  • 車のライトや日の光がまぶしい
  • 視界がいつもチラチラする
  • 歩いていて物にぶつかりやすい
  • 視野の一部が欠けて見えない

ただ、症状の現れ方は一定ではありません。視野狭窄も、周囲から見えなくなる場合や、島のように見えない部分が点在するなどさまざまです。

進行の仕方が遅いのも特徴で、発症して40年くらいたっても、0.2位の視力を保っている人も大勢います。高齢になってから急に視野狭窄が進行していることがわかるケースも多いようです。

網膜色素変性症の治療
日常的には強い光を避けることが、進行を遅らせることにつながります。外では必ず「遮光眼鏡」を着用することが大切です。

根本的な治療法は残念ながらまだ見つかっていません。対症療法として、暗順応改善薬(暗いところに慣れやすくする)や網膜循環改善薬(網膜の血流をよくする)、ビタミン剤などが処方されます。

網膜色素変性症では、白内障緑内障を併発することがありますが、その治療のための手術は、網膜の状態によって決めます。

定期検査を受け、日常の注意を守って治療を進めれば視力も十分維持できる例も多く、失明につながる重症例ばかりではありません。