角膜移植の術式:ドナーに頼らない手術の研究も進行中です
術式は、大きく分けて1.全層角膜移植 2.表層角膜移植の二つがあります。前者は、五層からなる角膜のすべての層を切除します。一方、後者は角膜の上皮細胞層から実質層までの病的な部位を取り除き、残りの二層(デスメ膜と角膜内皮細胞層)は残しておく方法です。どちらを選択するかは、原因疾患によります。
現在、国内では年間およそ1500眼程度の提供がありますが、数万人の待機患者がいると推定されており、慢性的なドナー不足の状態が続いています。そのため、海外のアイバンクの協力をあおいで角膜を入手することも同時に行っている医療機関もあります。ただしその場合は医療保険が適用されないため、医療費が高額になります。
近年、術式の進歩により、今までは角膜移植の適応にならなかった難治症例にも新しい術式が開発されてきました。アルカリ腐食やスティーブンス・ジョンソン症候群などの、主として角膜上皮が病巣となる疾患に対しての角膜上皮形成術や、角膜の輪部を使用する輪部移植術などの角膜上皮移植術などがあります。
さらに、胎盤の羊膜を使用する羊膜移植術、人口角膜移植や培養角膜上皮移植などの人のドナーに頼らない手術の研究も進行しており、将来の発展が期待されています。