黄斑部に膜が張る病気で、ものがゆがんで見えます

目の中で光を感じる網膜の中心部の黄斑の上に、膜のような組織(膜様組織)ができる病気です。進行すると膜が黄斑を引っ張り、黄斑にむくみが現れ、視力低下や、視野の中心部が見えづらい(中心暗点)、ものがゆがんで見えるなどの症状が現れます。

進行しても視野の周辺部まで見えづらくなることはありません。片方の目だけに起こっている場合は、悪いほうの目が使われないことが多いので、症状を自覚しないこともよくあります。

黄斑上膜の発症には加齢が関係していると考えられています。若いうちは、「硝子体」と呼ばれるゼリー状の物質が眼内を満たし網膜と接着していますが、加齢とともに硝子体が自然に融解し、網膜面から外れていきます。
この際、黄斑上に薄い硝子体の膜が残ることがあり、この幕を土台として細胞の増殖が起こるのが、原因と考えられています。

症状が進行性の場合、自覚症状を軽減するために手術を行うのが一般的です。手術による症状の改善度は個人差がありますが、自覚症状の完全な消失を得ることは困難とされています。

したがって、網膜のむくみの程度や、症状の進行具合から、手術によるメリットとデメリットを考えて総合的に手術の適応を判定するのが一般的です。症状がそれほど強くなければ急いで手術をする必要はありませんが、あまり進行してしまってからでは治療効果は少なくなります。

手術では、顕微鏡で眼内の状態を観察しながら膜様組織を取り除きます。比較的安全性の高い手術ですが、重篤な合併症として網膜剥離があります。術後1年以内に5%程度の確立で起こり、放置すると失明につながりますので、網膜はく離が生じた場合には早急の治療が必要です。