網膜動脈閉塞症:視力が急激に低下します

眼底写真

網膜へ酸素や栄養を運んでいる血管が詰まって、網膜が機能しなくなるため、急激に視力が低下したり、突然目が見えなくなったりする病気です。

血管は心臓から首、脳を通り、次第に枝分かれしながらその1本が網膜中心動脈となって、眼球の後ろのほうから視神経に沿って眼球へ達し、さらに枝分かれして網膜へ通じています。

網膜の細胞は、その血管が運んでいる酸素や栄養によって生きています。したがって、もしどこかで血管が詰まると網膜が働かなくなり、その状態が一定時間異常続くと細胞が死んで、機能を回復することができなくなってしまいます。

原因は動脈硬化、心臓弁膜症、心内膜炎など、循環器系の異常です。それらの病巣でできる物質(栓子)が血管の中を流れ、網膜動脈のような細いところへくると、ひっかかって血流障害を引き起こすわけです。

網膜動脈閉塞症の症状
いきなり視力が低下し、まったく見えなくなることもあります。なかでも網膜中心動脈や、黄斑部に通じる血管が詰まっている場合は、症状の現れ方がより急激で、重症になります。また、動脈の枝が詰まった場合には視野の一部が欠けて見えなくなることもあります。

診断では、眼底検査を行い、網膜の色の変化などを確認します。さらに、蛍光眼底造影を行って、血流が途絶えた範囲を明らかにします。

網膜動脈閉塞症の治療
緊急の治療が必要となります。一般に、発症90分以内に治療を受けないと、視力回復は望めないとされています。治療としては、眼圧を下げて血流を促進するため、まぶたの上から指で眼球マッサージをしたり、房水を抜く前房穿刺などが行われます。

また、血管拡張薬(プロスタグランジン製剤)の点滴も行われます。これは血管を広げることで、血栓を血管の末端に移動させ、障害を最小限に抑えるためのものです。

血栓を溶かす血栓溶解薬が使われることもありますが、脳出血など命にかかわる病気を招く危険性もあるため、慎重に選択されます。