初の治療薬となるペガプタニブ(商品名:マクジェン)が登場

PDTを受けることのできる医療機関は限られています

新生血管が出てくる位置により、治療法は大きく3つに分けられます。

レーザー治療
点眼麻酔を行なった後に特殊なコンタクトレンズを装着し、レーザーを照射して新生血管を焼き固めます。治療は数十分程度で終わり、外来で受けることができます。

ただし、周囲の正常な網膜組織も熱で傷めて視力低下につながる危険性があります。このため、黄斑部の真ん中のくぼみで解像力の高い中心窩にはレーザー治療を行うことができません。

光線力学療法(PDT)
新生血管が中心窩にある場合は、新生血管の周囲の健康な組織を障害しないよう「光線力学療法(PDT)」を行います。

まず、ベルテポルフィンという薬を点滴注射してから、レーザーを照射します。この薬は新生血管に集まり、レーザーが当たると化学反応を起こして活性酸素を発生、血管内から破壊します。

発熱しにくいレーザーを用いるので網膜への影響もほとんどありません。1回の照射で新生血管を完全に閉塞させられることは少なく、3カ月おきに定期検査をして何度か治療を繰り返します。

2年後の経過を調べると、視力を維持できた人が全体の6〜7割、視力が改善した人が2〜3割ということがわかっています。

治療に用いられるベルテポルフィンには光線過敏症などの副作用の心配があるので、初回入院時には入院が義務付けられています。

薬物療法
上記のPDTは治療効果は高いものの、病変周囲に虚血や炎症を起こすリスクがあり、治療時の視力がよいと視力が低下する可能性がありました。そのため、見え方に不満があっても視力が0.5以上の患者は積極的な治療対象と不成、0.5以下になるまで経過観察とするケースが多くなっていました。

そこで登場したのが、2008年10月に発売された加齢黄斑変性症の初の治療薬となるペガプタニブ(商品名:マクジェン)です。この薬は新生血管の増殖の引き金となる血管内皮増殖因子(VEGF)の働きを抑えます。

ペガプタニブの登場により、視力が下がる前の患者を早期から積極的に治療できるようになると期待されており、今後、加齢黄斑変性症の薬物療法が広がるのは間違いないと考えられています。

日常生活で予防を心がけましょう
加齢黄斑変性症は、目の生活習慣病とも言われており、喫煙が危険因子であることがわかっています。また、直射日光は網膜色素上皮細胞の酸化を促し、加齢を誘発するとされています。

これらの危険因子を避けて、緑黄色野菜などに多く含まれているビタミンAビタミンC、βカロテン、ルテインといった抗酸化作用を持つ成分をとることが、予防につながると考えられています。

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